第1回
ベンチャー企業と一般の中小企業とは どのように違うのですか?(その1) |
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| 教授 |
「やあ、みゆきくん、久しぶり。どう?税理士稼業はうまくいってる?」 |
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| 税理士みゆき |
「ええ、まあ、ぼちぼちです。今日は先生にまた教えてもらいたいことがあって電話しました。お時間ちょっといいですか?」 |
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| 教授 |
「う〜ん、今日はちょっと忙しいんだけどねえ。学生の頃から質問魔のみゆきくんだから、長くなるのが怖いけど、大学のアフターサービスとして少しは付き合ってあげるよ。」 |
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| 税理士みゆき |
「ありがとうございますっ!実はわたし、ホームページを立ち上げようとしているんです。それでコンテンツをどうしようといろいろと考えたあげく、『教えて教授!』というコーナーも設けることにしました。わたしのホームページを見ていただく社長さんたちのために、いまホットな経営現象をわかりやすく面白く解説しようと思ったんです。でも、ただ普通に解説を書くのでは面白くないから、学生の頃から鋭い分析と面倒みの良さではピカイチの先生との対談という形にしようと思ったんです。このアイディア、偉いでしょ?」 |
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| 教授 |
「ううっ。え、偉いって言えば言えないことはないようなあるような。何だか迷惑でもあるような(ブツブツブツ)。まあ、仕方ないか、たくさんの学費を払ってくれたお客様だからな。で、とりあえずどんな質問?」 |
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| 税理士みゆき |
「まずはベンチャー企業についてです。」 |
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| 教授 |
「ほお、ベンチャー企業ね。みゆきくんはたしか学生の頃に、アップルコンピュータとかマイクロソフトとかネットスケープなどアメリカの有名ベンチャー企業についてレポートを書いたことがあったよね。ベンチャー企業については詳しいんじゃないの?」 |
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| 税理士みゆき |
「ええ、自分でもそう思っていたんですけどね。でも、学生のときに単に興味本位で調べたベンチャー企業と、顧問先になってくれるかもしれないベンチャー企業となると、ずいぶんギャップがあることに気が付いたんです。
今回、ホームページを立ち上げるにあたって、いったい主に誰に向けて情報発信すればいいんだろうと考えたら、すでに顧問先の社長さんたちはもちろんですが、インターネットへの依存度が高い経営者たちということになりますよね?で、インターネットが身近な経営者って言えば、おもにベンチャー企業の経営者かなあって考えました。
でもよく考えたら、第2のアップルコンピュータやマイクロソフトになるかもしれないベンチャー企業が顧問先になってくれるなんて、宝くじに当たるよりも難しいですよね?それに、運良くものすごいベンチャー企業が顧問先になってくれたとしても、たちまち上場して公開企業になってしまったら、わたしの手には負えなくなってしまいます。
では、ずっとわたしの顧問先になってくれそうなベンチャー企業って何なの?という根本的な疑問にぶちあたったというわけです。また、いまの顧問先をベンチャー企業に変貌させることにお役に立ちたいけど、どんなアドバイスをしたらいいのかって。」 |
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| 教授 |
「なるほど。とてもリアルな問題意識だね。さすが職業人!それですでに僕に答えを求めようとしたわけか。でも、卒業生が慕ってくれるのは嬉しいけど、みゆきくんも一人前の税理士ならば、少しは自分で」 |
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| 税理士みゆき |
「調べてから電話してこい、っておっしゃりたいんでしょ?そんなこと、学生時代から耳にタコですよ。ちゃあんとネット検索で調べました。いろんな人がいろんなことを書いているけど、それを読んでも何だか釈然としないから、大先生に教えを求めてきたってわけです(ヨイショ)。わたしがピックアップしたベンチャー企業にかんする記述だとこういうことらしいです。添付ファイルで送りますよ。」
* 一般的に言われているベンチャー企業の特性
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事業の可能性という点でリスクがあること。 |
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展開する事業にこれまでにない新奇性があること。 |
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事業の将来について一般の中小企業に比べて非常に大きなリスクがあること。 |
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事業の内容にこれまでにない新奇性があることとはもちろん密接に関連しており、それだけに大きな成長の可能性を秘めていること。 |
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一般の中小企業が市場を意識して新規の製品を開発するのに対し、ベンチャー企業は独創的な製品を作って市場を開拓する。したがってよりリスクを被ることになりますが、市場を独占することになり、通常、高い利益率が期待できる。 |
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ベンチャー企業の最大の特徴は成長の仕方、一般の中小企業とは違う速い成長という点にある。 |
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新しい技術の開発、新しい市場の開拓という高い目標を掲げている企業だが、成功する確率は低い。しかし新しい事業のため、成功すれば他社に先んじて優先的立場を築き、市場を独占でき、上場すればキャピタルゲインが大きい |
これらの特性はスタンダードと言うか、わたしが調べた有名ベンチャーにはこれらの特性が共通しているように思えます。ただ、こんなのもあったんです。
『もしあなたの会社が新しい事に積極的にチャレンジする気概を持っているなら、今すぐ「ベンチャー企業」と名乗ってください。ベンチャーなんておこがましい?全然そんなことありません。世間のベンチャーの大部分はホームページのデザインがちょっとカッコイイだけで大した売上は上げていません。私の知っているあるインターネットベンチャーは投資家から1億円を越える投資を受けて華やかなデビューをしましたが、営業開始1年後の月次の売上が30万円です。でもその会社のホームページには「2003年に株式公開を目指しています」と恥ずかしげも無く堂々と記入されています。そんな会社よりもあなたの会社のほうがはるかに進んでいるでしょ?でしたら堂々と「ベンチャー企業」を名乗ってください。』
これも、正解のような気がするんです。『ベンチャー企業』をこのように考えれば、中小企業の経営者たちはみな元気になれるよねえって。でもそうなるといよいよ、いったいベンチャ−企業ってなんなの?って分からなくなってしまって。」
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| 教授 |
「なるほど、いろんなことが書かれているけど、『新奇性』とか『新規性』、それに『リスク』や『市場独占』という言葉が多く見られるね。要するにこういうことだね。ベンチャー企業はこれまで世の中に存在しない新しい製品で市場を開拓しようとするから、思ったとおりに売れない場合はすぐ失敗するからリスクが高い。でも、製品が大ブレイクすると新しい市場を独占でき、莫大な利益が得られるというわけだ。リスキィーだけど大当たりすれば市場独占できるのが『ベンチャー企業』だという見方は、日本ではお馴染みだね。
最後の記述は要するに、億単位の投資を受けて華々しくデビューしたのに散々な業績で、それでも大言壮語するのが『ベンチャー企業』ならば、新しいことにチャレンジしていてきちんとした業績をあげている中小企業はみんなベンチャーだ〜っ!という論法だね。かなり乱暴だけど、小難しいベンチャー特性と違って開き直っているから、みゆきくんが言うように、中小企業の経営者たちを元気にさせるにはとても効果的ではあるね。」 |
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| 税理士みゆき |
「でしょ?だったら、わたしの顧問先もみいんなベンチャーよ〜っ!て宣言できますよね。みんなで元気になれるのなら、これ、いただき〜っ!」 |
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| 教授 |
「いや、ちょっと待ってよ。市場独占をするようなごく限られた成功者だけをベンチャー企業と限定したり、経営者が意欲的でちゃんと利益を上げている中小企業はみんなベンチャー企業なんて、あまりにも両極端でおかしいから、もっと基本的に段階を踏んで考えてみようよ。ああ、でももう次の講義に行かなくっちゃ。またあとで電話してくれる?電話で話すのも疲れるから、今度は研究室に遊びにいらっしゃいよ。」 |
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| 税理士みゆき |
「お忙しいところ、ありがとうございました。もう少し私なりに調べてみますね。また、質問させてください。」 |